響け、空に―
さぁぁぁぁ……
風が冷たい。私と入江君は裏庭に来ていた。
「入江君、あの…」
「………」
「………………ごめんなさい」
下をうつむいてしまう。
「やっぱり俺じゃあ、孝を越えられない?」
「私の中で一番大きいのは孝で、好きなのも、やっぱり孝だから。」
「……ははっ!!じゃあ、俺が敵うはずないな。」
「ごめんね」
チラッと入江君の方を見る
「〜〜〜〜っ!!そういう可愛い顔をするのはやめろ!!
…諦められないだろ?
じゃあ、俺、行くな?」
「うん…」
入江君が校舎の中へと戻っていったけど、私はそのまま動かなかった。