響け、空に―
「孝は、私の所に走ってきたんです。孝は、体力が低下してきてるから、走ったらだめなんだって言ってました。なのに…私…!!」
「笑美子ちゃ…」
「私の…私のせいだぁ!!裏庭になんか行かなければ、孝は走ったりしなかったのに!!あの時すぐに戻っていたら!!私のせいだ!!私の!!」
パァン!!!!
乾いた音が廊下に響いた。
頬がジン…とする。
美咲さんの手も赤くなっていた。
「落ち着きなさい。笑美子ちゃん、大丈夫。孝はきっと大丈夫よ。私の子だもの!!」
涙目になりながらも、笑顔で言葉を口にする美咲さんの優しさに触れ、落ち着くことができた。
「すみませんでした…」
「いいえ。私も泣き叫んだりしてたのに、偉そうなことは言えないわよね。」
するとその時、ICUの扉が開いた。