響け、空に―
孝の部屋の前に立つ。

《はぁぁ…緊張するな…》


少し震える手でノックをする。


「お袋?」
孝の声がした。


「違うよ…。高木、高木笑美子」


「笑美子か!?久しぶりだなぁ!!入れよ!!」

部屋に入ると孝はベッドに腰をかけていた。

その姿に変わりはない。

ていうか、元気そうだ。



「……元気そうだね」


「ん?まあな〜暇してたところ。


なぁ、トランプしねぇ?」


「私…トランプ得意だよ?」


「だから言ってんだろ?

ハンデだよハ〜ン〜デ!!

負けた方は勝った方の言うことを聞く!!

…どうだ?」


「いいよ。」

そういうゲームは大好きなので、すぐに飛びつく自分がいた。
< 13 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop