響け、空に―
病院を出て、車を見つける。
私が乗り込むと、それを見た父が発進させた。
車内は、沈黙。
意外にも、その空気を最初に破ったのは運転席の父だった。
「いろいろと済まなかった笑美子。」
「何が?」
「俺が、家庭を壊してしまったんだ。
お母さんと上手くいってないからって、違う相手を作ったらだめだよな。
ちゃんと、向き合うべきだったんだ。
…やり直させてくれないか?」
「………。」
「笑美子…私も悪かったと思ってるの。
私とお父さんは何回も何回も話し合って、お互いに向き合うことにしたわ。
あとは…あなた次第。いえ、あなたが許してくれなくても許してもらえるように努力する。
私達は…あなたを愛しているから。」
「何よそれ…勝手すぎる。何が愛?私にあれもダメ、これもダメって言ってきたくせに。」