響け、空に―
「そこも話し合ったんだ。俺たちは笑美子を縛りすぎた。
だからこれからは自由にしてほしい。お前の人生だしな。
でも、犯罪に手を染めたりするのは許さない。」
「犯罪なんてするわけないじゃない…。」
声が、震える。
見慣れた景色たちや、街灯がぼやけてきた。
不意に車が止まった。
見ると、家の前だった。
「夕飯…食べましょう?今日は私が作ったの。」
母が、助手席から降りてきて、後部座席の私に手を差しのべた。
私はその手を迷わず取った。
その日は、久しぶりに夢に父と母が出てきた。