響け、空に―
次の日、久しぶりに会話が飛び交った朝食を終えた私は荷物を持って外に出た。
するとそこには孝がいた。
「おっ笑美子。学校行こうぜ」
「おはよう。うん、行こっか。
……体辛くなったらすぐに言ってね。」
「ああ、わかってる。
…………ん。」
孝が手を差し出してきた。
「へ?」
「『へ?』じゃねーよ‼
あと少ししかないんだ。これくらいいいだろ。」
「…うん」
あと少し。
わかっていたはずなのに、孝の口から出たのは正直きつかった。
悲しい顔を見せないようにしながら、孝と手をつなぐ。
登校中、周りの人の視線が気になったけれど、手を離したいとは思わなかった。
学校に到着すると、さすがに恥ずかしくなってきた。
でも、手をつないだまま、教室へと向かっている途中、孝が言った。