響け、空に―

「皆もう、教室にいるからな。」


「え!?」


「体のこと…さすがに話さないとな。でも、HRの時間を俺一人のために費やすわけにはいかないから。

昨日、皆に大事な話があるから朝早く登校してくれって頼んでおいた。」


「そっか…」

気づけばそこは、教室の前だった。中からクラスメイト達が話している声が聞こえる。

私は繋いでいた手を離そうとしたが、孝が手に力を込めて、それを許さなかった。


「このままでいいだろ。入るぞ。」


「ちょ、ちょっと待っ…」

私が止めるのも聞かずに、孝は教室の扉を開けた。

「おー孝‼何だよ話す事って。」


「まだ笑美ちゃんが来てな…ってあれ‼」


「何!?お前ら手なんか繋いで‼」

教室中にざわめきが広がる。

孝はそんなこと気にしないといった感じで、ずかずかと入っていき、教卓の前に立った。


「皆に話すことが二つある‼」

孝は静かにさせるように大声でそう言った。

< 134 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop