響け、空に―
「皆もう、教室にいるからな。」
「え!?」
「体のこと…さすがに話さないとな。でも、HRの時間を俺一人のために費やすわけにはいかないから。
昨日、皆に大事な話があるから朝早く登校してくれって頼んでおいた。」
「そっか…」
気づけばそこは、教室の前だった。中からクラスメイト達が話している声が聞こえる。
私は繋いでいた手を離そうとしたが、孝が手に力を込めて、それを許さなかった。
「このままでいいだろ。入るぞ。」
「ちょ、ちょっと待っ…」
私が止めるのも聞かずに、孝は教室の扉を開けた。
「おー孝‼何だよ話す事って。」
「まだ笑美ちゃんが来てな…ってあれ‼」
「何!?お前ら手なんか繋いで‼」
教室中にざわめきが広がる。
孝はそんなこと気にしないといった感じで、ずかずかと入っていき、教卓の前に立った。
「皆に話すことが二つある‼」
孝は静かにさせるように大声でそう言った。