響け、空に―
「さすがだな、伸。お前は泣かないと思ってた。」
「当たり前だろ?俺はお前の親友だ。
………お前は泣かれるのが一番辛いんだろうってことくらいわかる。
昨日の救急車はお前か…。運ばれるってこと自体が深刻だから覚悟はしてたけど、あと三日っていうのは急すぎる。
…高木とも、どうするんだよ。」
「三日しかないけど、その三日で伝えきるよ。俺の気持ち」
「そっか。」
入江君はそれだけ言って席に戻って行った。
私は、孝の本音をちょっと覗けた気がしていた。
『三日しかないけど』と、孝は言った。
孝自身も、割り切っているように見せているが、やっぱり短いと感じていて…
心の中ではいろんなことが絡まっているだろう。
「俺達も、席に着こう。」
「あ、うん…」
ねえ孝、何で話してくれないの?
不満とか、不安とか話してくれないのは…私が頼りないから?
出かけた言葉を飲み込んだ。
「ほら、お前らも泣きやめよ!!そうしてる間にも三日は過ぎていくんだぞ?」
入江君が皆の気持ちを立て直して、いつも通りに過ごさせた。