響け、空に―
「そんなの最初から決まってるんだけど…わかった。
校門前で待ってて。すぐ戻る。」
最後の二言は小声で言った。
そして孝は、女の子とどこかに行った。
途中、女の子は私にペコッと頭を下げた。
姿が見えなくなり、私は壁にもたれる。
「はぁぁぁぁぁ…」
そんな私の目の前を
「孝君あっちにいるの!?早く行こう!!」
と、数人の女の子達が駆けていった。
《あの子達も…かな。》
傍から見れば、私は余裕そうに見えるのだろうか。
でも余裕なんて無い。
「…校門、行かなきゃ。」
立ち上がり、のろのろと足を進めていった。