響け、空に―
校門前について十分程待った。
《孝は人気者だったからな…》
そんなことを思っている自分がいた。
《早く…来て…!!》
孝が来ないことに不安を覚える。
孝の姿を見たい…孝と一緒に居たい…
「ははっ…!!」
さっきはあんな強がり言ってたのに…。
孝が必要なのは私の方じゃないの?
『好き』が日に日につもっていて…
自分が自分じゃないみたい…
「悪い!!待った?」
「孝…」
孝の顔を見るだけでほっとする。
私は笑って
「平気!!行こう?」
手を差し出した。
自然に繋いで、街に向かう。