響け、空に―
街は、やっぱり人が多かった。
でも渋谷程ではないから、孝が疲れることはない…はず。
「孝、疲れそう?」
「いや、平気!!」
孝は笑って歩いて行った。
「笑美子!!クレープ食べよう!!」
孝は、公園でバンを使って売っているクレープ屋さんがあるのを見て目を輝かせた。
そんな孝を笑いながらクレープを買った。
「あなたたちはカップル?」
店員さんの突然の質問に小銭を落としそうになる。
「あ、そうですよ!!」
孝が満面の笑みを浮かべて答えた。
「そっかー!!じゃあイチゴ一個おまけ!!」
店員さんは私と孝のクレープにイチゴを一個ずつ追加してくれた。
「あ、ありがとうございます!!」
きちんとお礼は言いつつ、恥ずかしさからすぐにバンから離れた。
公園内のベンチに腰かける。