響け、空に―

街は、やっぱり人が多かった。

でも渋谷程ではないから、孝が疲れることはない…はず。


「孝、疲れそう?」


「いや、平気!!」

孝は笑って歩いて行った。

「笑美子!!クレープ食べよう!!」


孝は、公園でバンを使って売っているクレープ屋さんがあるのを見て目を輝かせた。


そんな孝を笑いながらクレープを買った。

「あなたたちはカップル?」

店員さんの突然の質問に小銭を落としそうになる。

「あ、そうですよ!!」


孝が満面の笑みを浮かべて答えた。

「そっかー!!じゃあイチゴ一個おまけ!!」

店員さんは私と孝のクレープにイチゴを一個ずつ追加してくれた。


「あ、ありがとうございます!!」

きちんとお礼は言いつつ、恥ずかしさからすぐにバンから離れた。


公園内のベンチに腰かける。


< 141 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop