響け、空に―

何でそんな顔…

聞きたいけれど、聞けなかった。


私は孝のクレープにかじりついた。


「あ‼」


「孝のクレープもちょうだい。」


「言うよりも先に食ってんじゃねーか。」

孝は声をあげて笑う。


うん、やっぱり孝は、笑顔が一番だよ。悲しい顔なんかしないで…


お互いクレープを食べ終わり、しばらくベンチに座っていた。


歩く人々の声が妙に響く。



「笑美子」


「はい‼」


「…ぷっ‼何だよその返事。」


「だって………」

孝から、私への気持ちについて聞かされると思った…なんて言えなかった。


でもやっぱり孝はわかってるみたいで

「何でかな?ん?笑美子さん?」


なんて言っては私をからかって、楽しんでいた。


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