響け、空に―
……だめだな、俺。ここまできても、死にたくねぇって思っちまう。
お前ともっと遊びたかった。デートだって…海とかお祭りとかにも行きたかったし…
結婚だってしたかった。
本当に俺はお前のこと好き……っていうより、愛してたんだ。
お前のことだから、将来他の男を好きになっても、罪悪感とかを抱いちゃうんだろうな。
けど、俺のことは気にせず、結婚だってなんだってしてくれ。頼む。
…本当にお前のことを、笑美子のことを愛してるから。
じゃあな。
P.S.笑えよ‼笑わないとブサイクになるぞ‼』
「もう…最後は余計なお世話‼」
目に溜まっているそれをこぼさないよう、口角を上げる。
顔を上げ、煙突の煙を眺めた。
すると、どこからともなく、「笑え‼」と聞こえてきた。
「はいはい…」
そうつぶやいて、私は昇っていく煙に向かって笑いかけた――。