響け、空に―
最終話
孝が死んでしまってから、四年――。私は今年成人になる。
「うん…大丈夫だってば‼ちゃんと寝てるし、ちゃんと食べてる。
今日?もちろんお休みもらった。
うん…。わかった、帰りに寄るから。うん、食べる食べる。
じゃあね。」
電話を切る。
朝食の途中だった私に、いきなり母から電話がかかってきたのだ。
私はテーブルにつき、テレビに目をやった。
『さて、続いての質問は「若森さんの子供のころのあだ名は何ですか?」です。』
『私の子供の頃…男友達からは高木で、女友達からは笑美ちゃん、笑美子でした。』
『えっ‼それって本名ばらしてませんか?』
『あっ‼…まあいっか。私の本名は高木笑美子で、若森笑美子は芸名なんです。』
『へぇー。なぜ高木から若森にしたんですか?』
ブツン。
テレビの電源を切り、朝食を再開した。
休みの日まで、自分を見なきゃいけないなんて…