響け、空に―
伸’sエピソード
「しーん‼」
「おう、おはよ‼」
自分で言うのもなんだが、俺は男女共にそこそこ人気がある。
「おいおい‼数学抜き打ちテストあるってよ‼」
「うわぁ~最悪だ‼勉強してねぇよ…。ヤベェよ‼」
「あんたはいつだって最悪じゃん。」
「何だと~!?」
アハハハハハハ。
俺らがこうして騒いでいると、必ずと言っていい程高木が起きる。
ムスッとした感じで。
「あ…高木さん起きた。」
「本当だ…めちゃくちゃ不機嫌だな。可愛くねぇの。」
周りにいる友達が好き勝手に色々なことを言っている。
そうかな?
言いたいけど言えない。
俺は可愛いと思うんだ。
入学式の時、桜の木の上に座っていた彼女はきれいで、俺の心はもう、その時には奪われていたんだ。