響け、空に―
「伸‼」
…高木の声だった
「伸‼待って‼」
階段を駆け下りてくる。
「高木…」
伸?伸って…呼んだのか?しかも大声で…
「伸…」
俺の前に立った高木は息を切らしている。
「高木…お前…『伸』って…」
「あ…。うん、考が迷うな、立ち止まるなって言ってくれて。」
「でも…なんで名前を?」
俺は今、高木に意地悪をしている。
「あ、それは…考が好きな奴の名前を呼べって…」
「高木は俺の事好きなの?」
「…。」
「どうなの?」
「私…私は伸の事…好きだよ」
これは夢か?
高木が俺のことを好きだなんて…
きっとこれは、考からの、最後のチャンス
「伸…は?」
顔を真っ赤にしながら高木が俺に聞いてきた。
俺は高木の手を引っ張り…
気づけば、抱きしめていた。