響け、空に―
「人がみーんな、そんな汚いことを考えてると思ってるのか?」

私はカッとなって反論する。


「そうよ!!悪い!?人なんて皆汚いのよ!!」


「だったらお前も汚いじゃん。」

孝はこの言葉をさらりと言ったけれど、私は大きなショックを受けた。


確かにそうだ…。
いつも私は「人なんて…」と思っていた。自分が人なのも忘れて…。


いったい何様のつもりだったんだろう?

私だって人だから…汚いんだ。


「そうよ…。私だって汚いわ。

私には何の才能も無くて、でも親から失望されたくなかった。

笑っちゃうよね。あんなことをした母に失望されたくないなんて思ってるのよ?」
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