響け、空に―
「遅かったじゃないの。何をしてたの?」


「…ごめんなさい。学校で先生にわからない所を質問していました。」


「ふうん。あっそうだ!!私、出かけてくるから。あの人はまだ仕事だからあなた一人ね。

夕飯は適当に食べなさい。早く寝なさいよ。」

母はそう言いながら下駄を履いた。


「行ってらっしゃい」


「じゃあね〜」

私の顔も見ずに家を出た。

母が出ていった瞬間に二階の私の部屋に上がる。

双眼鏡を取り出して窓から母を探した。
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