響け、空に―
「……。

お袋…窓開けてくんない?」


「えっ…でも…」


「お願い!!新鮮な空気が吸いたいんだよ!!」

両手を合わせて頼み込む。

返事が遅い…

《かなり考え込んでるんだな…

俺の体…そんなに弱くなったのか》

お袋の態度から悟る。


「……いいわよ、でも五分だけね。」


「サンキュー」

五分だけでもいい。

五分で充分だ。

とにかく、色々考えるのをやめたかった。


お袋が窓を開ける。

ビュウッと冷たい空気が部屋の中に入ってきた。
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