響け、空に―
さっきまで暖かかった部屋がみるみる寒くなっていく。

「うおっ!!さみ〜」と言おうと思ったが、言ったら確実に窓を閉められるので、やめた。


「そういえば」
珍しくお袋が話を切り出す。

「笑美子ちゃん、キレイになってたわねぇ…。昔とは大違い!!」


「まぁ女だからな」


「彼氏とかいるのかしら!?」


「いや、俺知らないし。気になるなら聞けば?」


「やあねぇ。こんな他人の母親が図々しく聞けることじゃないわ。

孝が聞いてよ。」

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