響け、空に―
「長かったな、トイレ!!」

孝はこちらの気持ちなんて知らずに「にひっ」というように笑っている。


やっぱり嘘だ……

こんな奴が死ぬなんて…


再び目頭が熱くなってきたので、急いでカバンを取り、部屋から出ていこうとした時、

「泣くなら泣けば?」

孝はそう言った。


「え…?」


「俺が何年お前の幼なじみやってると思ってんだよ。

お前が泣くっていうタイミングもわかりきってるんだぜ?

泣く理由は知らねぇけど泣いた方がいいんじゃねぇの?」


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