響け、空に―
「さぁ笑美!!教えてくれるでしょう?約束したもんね!!」


「えっ…何を?」


「昨日会いに行った人のこと!!

もしかして…彼氏!?」


『彼氏』という単語が出た途端に教室中が静かになった。

さっきまで騒いでいた男子まで静かだ。


なぜだろう…?


「彼氏じゃないよ!!孝、若森孝の家にお見舞いに行ってたんだよ!!先生に頼まれて」


「そうなんだ〜…孝って病気なの?」


「……えっと…」

答えていいのかわからなかった。

孝は皆に知られたくないのか、知られても構わないのかわからなかったから。

答えに詰まっていると、教室の扉が開いた。


見るとそこには…
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