響け、空に―
「しねぇよ。俺、ガンになって体力が落ちたんだ。

だから走るのとかもちょっと無理なんだよな。もし俺が走りそうになったら止めてくれよな。」


「自分で心がけて。」

そう言った瞬間、チャイムが鳴った。


「あっ、やばい!!孝、早く戻ろう!!」

準備室を出ようとしたら、孝が私の手を引いてきた。

引く力が強いので、私はしりもちをついてしまう。


「痛!!何すんのよ…」


「もう少し…ここにいようぜ。」


「……は?」


「頼む…もう少しだけ…」

そういうと孝は私の肩に寄りかかってきた。


「えっ!!ちょっ!!」

私が振り切るよりも早く、孝は寝てしまった。


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