響け、空に―
「……えっ…まさか…嘘でしょ?
お、起きてよ孝…!!
目を覚ましてよ!!」
一向に孝は目を覚まさない。
私は震える手を必死におさえながら、孝の顔に近づける。
とたんに、血の気が引いていくのがわかった。
「息……してない……」
動けない。
扉を開けて、保健室の先生を呼ぶか、救急車を手配しなくちゃいけないのに、
手足がいうことを聞いてくれない。
頭の中ではとるべき行動がわかっているのに私の手は孝の肩をもって激しく揺さぶるだけ。