響け、空に―
すると小沼さんはふんわり笑って

「うん!!じゃあぼちぼち帰ろう?」

とカバンを手にした。

私も片付けて、二人でお店を出た。


空気が冷たい。

「そうそう、好きと言えば……学年一のモテ男!!入江伸って、わかる?」


「入江伸…?ああ、何となーくでなら…」


「その入江伸にね、好きな子がいるんだって!!

それで入江のことを好きな子達はショックを受けたと同時に、入江から好きな子を聞き出そうと必死なの!!」


「ふーん…」


「興味無さそうだけど、笑美ちゃんにも関係あるんだからね?」


「え、何で?」


「だって…入江伸が好きなのは笑美ちゃんなんだよ!!」

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