響け、空に―
「笑美子!!」

私を引き止める声が聞こえたけれど私は階段を駆け上がり、自分の部屋に閉じこもった。


その日の夕飯はお手伝いさんが部屋の前まで運んでくれた。

そして、そのまま寝て、朝早くお風呂に入り、朝ごはんを食べて家を出た。


出た時間は朝の六時だった。


《さすがに起きてないよね。さて、この時間は…三年生しかいないか。まぁいいや。》

車も通らず、鳥の声がいつもより大きく聞こえる。こんなに和む朝も悪くない。


学校に着いて教室に入るとやっぱり誰もいなかった。

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