ぐるみちゃん
01

中学生?/胡桃




なぜか よく分からないけど
いつも、会う人会う人 「中学生?」と聞いてくる。

中学生と少ししか変わらない高校1年生だけどさ。
だけど・・・どうして聞いてくるのか?きっとそれは、身長が145cmしかないからだろう、というか145cmしかないからだ。

そんな私は今日も閉じそうなまぶたを必死に開けて
制服をダラダラと着替えた。
リビングで朝食をとっているとポジティブで働くのがすきな母が声をかけてきた。

「胡桃!そろそろ行った方が・・・」
『今日はデザイン科 9時からなの』
「そうなんだ・・・胡桃 なんでこんなに朝早く起きて来たの?まだ6時だよ」
『・・・6時?』
「うん」
『・・・おやすみ』
あたしは部屋に戻り、半着替えの制服のままベットに倒れこんだ。

あたしは高校のデザイン女子科にいる。
スケッチブックをカバンに入れてぬいぐるみを手に持って歩き、そしてこの身長だから、学校の中で結構騒がれている。本当にうっとおしい。
親友であり、幼馴染であり、学校で人気があり、モテ子?のはなちゃんによると、あたしはかなりモテるらしいけど恋愛なんてしてるヒマがあったら、他にそれより大事なことがあると思うから、人を好きになったりはしないの。

あ、ちなみにあたしは 趣味部 という変な部活に所属している。
「何をする」とまったく決まっていなくて、マイペースな時間を過ごせる。
山を登りに行く人もいれば、ゲームをする人もいる。ずーっと話している人もいれば、手芸する人もいる。
あたしは、ボーッとしている、というよりは外のサッカー部を見ている。



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