紅龍~キミと出逢えた奇跡~
「…空ちゃん。」
ナルに呼ばれ、俯いていた顔をあげた。
「…なに?」
「俺達が…怖い?」
「……え?」
何で…
どうして…?
何でそんな…悲しい顔をするの?
「…ナル。」
「…ん?」
「部外者のあたしが言うのもおかしいけど、何で周りの反応を気にするの?」
「それは…」
「ナルはナル。それは絶対変わらないじゃない。それとも何、紅龍に居るのが恥ずかしいわけ?仲間を信じてないわけ?」
ナルの言葉に、イラッときた。
怖い?って…
そりゃ暴走族なんだから、怖くないわけがない。
けど。
けどね、ナル。
大事なのは、仲間を思う気持ちでしょ?
1人はみんなの為に護って。
みんなは1人の為に護って。
助け合えて、支え合える。
そうゆうのが、“仲間”何じゃないの?
「…空ちゃん、ありがとう。」
「……へっ?」
その時のナルの顔は、何だかすっかりしたみたいに、心からの笑顔だった。
「あたしは何もしてないよ。」
ナルが自分で気づいたんだよ。
あたし、紅龍は大嫌いだけど、何だかナルとキョウは好きになれそう、かな…