紅龍~キミと出逢えた奇跡~


「…それって……俺達が、嫌いってこと?」


「…ナルとキョウは好き。…だけど、“紅龍”は大嫌い。」


矛盾…してるかな。


「…それって…“紅龍”全体が嫌いってこと?」


「うん…」


そんな、寂しそうな顔しないでよ…。


ナルたちにだって、好き嫌いはあるでしょう?


しかも自分にとって大事な人が奪われたんだったら、尚更。


「…どうして?」


「…言いたくない…」



自分達のせいで1人の命が亡くなったと知ったら、ナルたちはどう思う?


自分を責める?



あたしは。


あたしは、自分を責めた。


なんで、止めなかったんだろう?


なんで、護れなかったんだろう?



あたしは総長でもないし、族に入ってるわけでもない。



でも…お兄ちゃんの1番近くに居たのはあたしだから。



だから…自分が許せなかった…












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