紅龍~キミと出逢えた奇跡~
「今日は暴走の前に紹介したいヤツがいる。」
翔の声はあまり大きくないけど、物音1つしないこの倉庫には充分だった。
「…空。」
翔に呼ばれて、近くのソファーに座っていたあたしはスクッと立ち上がり、翔の隣へと行った。
「…こいつは、俺らが護る存在…姫龍だ。こいつはそこら辺の女とは違う。
俺らを見ても媚びなかったし、怖がらなかった。」
翔はずっと真剣な面持ちで、あたしの事を話していた。
「こいつ…空は、俺らや達也達だって認めた。……空が姫龍になることに、反対なヤツはいるか?…遠慮はするな。」
「反対っす!!」
「そうですよ!大体、女なんて足手まといじゃないですか!!」
……今、あたし完全になめられたよな?
…はははっ。あたし、キレるよー?
言っとくけどあたしの方が喧嘩強いよー?
「そもそも女なんてみんな同じですよ!!」
プチッ
あたしはこの言葉によって、とうとうキレた。