紅龍~キミと出逢えた奇跡~


「……それじゃ各自準備してくれ。」


「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」




どうやら話が終わったようだ。

あたし、ずっとボーッとしてた。




「……空、行くぞ。」


「…うん。」




あたし達はカン、カン、と少し古い階段を下りた。


翔が通れば、勢い良くみんな頭を下げるもんだからあたしはちょっとビクッと肩を揺らした。

と、同時にみんなからの視線。


でもそれは気持ちの悪いのではなくて、なんて言うか…こう…キラキラした目で見られた。


……さっきまでめっちゃ睨んでたくせに。



後で一発殴っておこう。



あ、そう言えば…



“総長を一発殴らせて”って言う約束はたしてない!



……うん、もういいや。


それに、仲間を殴りたくないし。



しょうがない。お兄ちゃんに免じて許してやろう。











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