紅龍~キミと出逢えた奇跡~
「…てか、翔離してよ。」
「…チッ…」
翔は舌打ちしながらも、あたしを離してくれた。
「あのさ。ここ、何処?」
「あ?……総長部屋。」
総長部屋?そんなのあるんだ。
…って事は…
あたし、ここにいちゃ駄目なんじゃ?!
あたしはスクッと立ち上がり、ドアに向かって歩き始めた。
「……何処へ行く。」
「…だってこの部屋総長部屋何でしょ?あたし入っちゃ駄目でしょ。」
「……お前はいーんだよ。」
え、そうなの?
でも何だかその言葉は、“お前は特別だ”って言われているようで、無性に嬉しかった。