【COLORS②】僕の彼女はお姫様
ゆず姫降臨?





「ゆず、ゆずはどこに行ったのじゃ〜ぁぁぁぁっっっ!!!!!」




屋敷中に大きな声が響き渡る。

絶対、父上なんかに捕まってなるもんですかっ!!
ど─せ、結婚、結婚って言うに決まってるんだからっ!!



「姫さまぁ〜本当にいいのですか?」

この子と言っても姿は真っ黒な猫、名前は『鶴丸』(つるまる)、人間の言葉を話す不思議な猫なのである。

「いいの、いいの。私は父上の言いなりにはならない!!!結婚相手だって自分で決めるわ!!それに……」



「……姫さま。もしかして……」

「行くわよ、鶴丸!!もう後には引けないわ!家出するって決めたんだから」

彼女は鶴丸をひょいっと抱え上げると、十二単を華麗に翻し、城の廊下の窓を開けて飛び降りた。


「ひ、姫さま……ここって確か三階……ですよね??」

「大丈夫!!ヒゲじいからもらった『ぱらしゅ─と』ってのを使えば……」

因みにじいやは発明が趣味で、この鶴丸その一つなんだ。

「……どうしたんですか?」

「ぱらしゅーと持ってくるの忘れた……」

「え、えええっっっ──!!!!!」



さて、ここは平安時代。



恋愛すら自由にできないこの世で、
ゆず姫様は運命を変えることができるのでしょうか……?
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