【COLORS②】僕の彼女はお姫様
「私のこの首輪についていた小さな水晶。間違いなく城に居た時には付いていたのに……」
さっきまで鶴丸がここに居なかったのは、その水晶とやらを探していたのだろう。
「あのさ、一つ聞いてもいいかな。『陸』って誰なんだ?俺に似てるやつなのか?」
「顔は似てても、陸様はお前とは似てもに似つかないお方だ!」
……こいつ、本気で俺のこと毛嫌いしてるな。
「陸は同じ歳で、いつも一番近くに居て優しい兄みたいな存在だった。でも……十年前、私が六歳の時に流行り病でこの世を去ってしまったの」
……死んだ?
「鶴丸が言っていた水晶は陸が私にくれた唯一の贈り物なの」
『この水晶はきっとゆずを守ってくれるから。例え僕がいなくなっても、大切に持っていてほしい──』
『いなくなるなんてそんな寂しいこと言わないで!!私はどこへも行かない!!これからもずっと陸と一緒だよ!!だから早くよくなって……』
『ありがとう』
その後、陸は病が悪化して帰らぬ人となった──
私は陸のことが大好きだった。
自由に恋愛ができないこの時代で、
陸に出会えたことが私の全てだったから。
だから、父上が結婚話を持ってきても私は見向きもしなかった。
自分の結婚相手は自分で決める!!
陸よりももっともっと大好きになれる人が見つかるまで、
誰の言いなりにもならないって、
心に決めたの。
さっきまで鶴丸がここに居なかったのは、その水晶とやらを探していたのだろう。
「あのさ、一つ聞いてもいいかな。『陸』って誰なんだ?俺に似てるやつなのか?」
「顔は似てても、陸様はお前とは似てもに似つかないお方だ!」
……こいつ、本気で俺のこと毛嫌いしてるな。
「陸は同じ歳で、いつも一番近くに居て優しい兄みたいな存在だった。でも……十年前、私が六歳の時に流行り病でこの世を去ってしまったの」
……死んだ?
「鶴丸が言っていた水晶は陸が私にくれた唯一の贈り物なの」
『この水晶はきっとゆずを守ってくれるから。例え僕がいなくなっても、大切に持っていてほしい──』
『いなくなるなんてそんな寂しいこと言わないで!!私はどこへも行かない!!これからもずっと陸と一緒だよ!!だから早くよくなって……』
『ありがとう』
その後、陸は病が悪化して帰らぬ人となった──
私は陸のことが大好きだった。
自由に恋愛ができないこの時代で、
陸に出会えたことが私の全てだったから。
だから、父上が結婚話を持ってきても私は見向きもしなかった。
自分の結婚相手は自分で決める!!
陸よりももっともっと大好きになれる人が見つかるまで、
誰の言いなりにもならないって、
心に決めたの。