【COLORS②】僕の彼女はお姫様
運命の人
 今日は土曜日。

この週末は顧問の先生の都合で、部活(バスケ部)の練習も休み。そして、特に予定もなかった。

う──ん。

何かを予兆していたのか?と思うほどに。



「蒼空、『でーと』行こう!」

で、で、デート?!

「どこでそんな言葉覚えたんだ?」

「彩からだよ!え─っとね、恋人同士は『でーと』するんだって」

姉貴のヤロー!!変なことを吹き込んだな……

「誰が恋人同士だ!!それにまだ俺は『許婚』のことも認めてないんだからな!!」

ちょっと、ここまでは言い過ぎかな。でもこれくらいははっきり言っておかね─と……

「細かいことは気にしない、気にしない。行こ、『でーと』!」

なんて、楽天的な性格なんだ。全然動じてない──

「あのなぁ〜、つーか姉貴にあとどんなこと吹き込まれたんだ?」

「えっーと、『でーと』では手つないだり、キスしたりするって言ってたよ。因みにキスは接吻のことだって言ってた」

やっぱり……

「あのな、それには大きな誤解というか誤りがあってだな、必ずしも『デート』をしてキスをするとは限らない」

「じゃあ、いつするの?」
いつ……って、

「そうだなぁ……そういうものはどこでも簡単にするってもんじゃなくて──こう、なんというかお互いの好きって気持ちが高ぶった時にするものであって……」

って!!俺、今、自分で言っててスゲー恥ずかしい……

「私は蒼空のこと大好きだよ!!」

面と向かって宣言されるとどうしたらいいのか分からなくなる。

「ゆず……」

って!このムード。
これって、

「蒼空は私のこと好き?」


「俺は──」
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