愛を知るまで離さない
僕は元々キレイな人間じゃない、むしろ穢れた生き物だ。
毎晩街を徘徊しては“エサ”を見付けて食べる。
そんな奴だった。
そんな時にキミは涙を流していた。
理由は聞かないことにした。
だってキミは凄く死にたいような顔だったから。
ヤボなことは聞けないと思った。
……貴方はどうしてここに?
意外にも彼女が声を発した。
貴方も寂しいの?
重なる瞳が僕の欲をかきあげる。
僕は普通の人間じゃないんだ…だからそんな目をするのはやめて。
何度願ってもキミは僕の瞳を捕らえて仕方なかった。
…この時からだキミを気にし出したのは。