最果ての月に吠える
「だから、先輩。トモエさんに出逢えたことを後悔しないで」





リューネ。





君の瞳は濁(ニゴ)ることのない湧き水のように澄んだ潤いに満ちてオレを見ている。





その瞳にオレはどう映っているのだろう。





空を飛びたいと願い、翼もないのに窓から飛び降りた男を哀れだと思っているのだろうか。





オレにはわからないんだ。





リューネが何を考え、世界の果てを見に行こうと言ってくれたのか。





君が何を考えて、オレの傍から離れていったのか。





わからないんだ。





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