最果ての月に吠える
浅い微睡みから眼醒める。





意識も無意識も真っ白な快楽に溺れ、思考はゆったりとした速度で現実を捉え始めていた。





リューネはオレの腕の中で規則正しい吐息を漏らしながら眠っている。





オレは初めて、セックスをした。





けれどそれは、本能的な繁殖行為。





快楽のためのセックスは人間という愚かな生き物に与えられた罪なのかもしれない。





精子と卵子が結合し受精卵が細胞分裂を始め、やがて生まれ堕ちる。





人間は死ぬために生きている。





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