最果ての月に吠える
「ヒカル! 何してる? 早く乗れ!」





現地スタッフのジョーイが流暢(リュウチョウ)な日本語で叫ぶ。





そこには古い型のパジェロが待っていた。





南米ペルーの空港から一時間、空中都市を見るわけでもなく、遺跡を見るわけでもなく、地上絵を見るわけでもない。





永遠に続くアスファルトの上を走り続ける間、僕は出発前にリューネから届いたメールをもう一度読み返していた。





独白にも似た僕へのメール。





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