最果ての月に吠える
僕には大江ヨシキが絶滅寸前の野生動物のような気高い生命に思えるんだ。





絶滅危惧種をたすけたいと思うのは人間のエゴだ。





原因を作っているのも人間なんだから。





でも、そのエゴで救える命もある。





それが君だよ、リューネ。





今の君の心臓は誰かもわからない他人のモノかもしれない。





でも移植しなければ死んでいくだけの幼かった里由祢(リユネ)をヒトのエゴが救ったんだ。





その瞬間から君の心臓として動き始めたんだ。





ヒトは何かを犠牲にしないと生きてはいけないエゴの塊(カタマリ)だよ。





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