最果ての月に吠える
「もしもし。どうした?」





鼓膜を溶かしてしまう甘く低く響く声を聞くだけで、どうにかなってしまいそうだった。





「………この前は、一方的に契約を打ち切ってしまってごめんなさい」





「気にしないでいいよ。いつか終わりは来るものだから」





「はい、ありがとうございます」





そう言われると少し悲しかった。





「それで、ほんとうは別の話なんだろう?」





「―――はい。実は相談したいことがあって。今、他の契約していた方からストーカーまがいの脅迫行為を受けていて困っているんです。どうすればいいでしょうか?」





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