最果ての月に吠える
「警察へはまだ届けてはないんだね?」





「はい。取り合ってくれるとは思えなくて」





「相手はどんな人物なんだ?」





「ベンチャー企業のまだ若い社長です」





「やり手の起業家か。知り合いかもしれないな。名前は?」





「アキタフミオさんなんですが………」





「………彼か。何度か顔を合わせたことはあるけど、そんな性格だったのか。―――わかった。一度話をしてみるよ」





「すみません。変なお願いしてしまって」





「いや、君にはいろいろと世話になったからね」





「………そんな言い方しないで下さい」





「え?」





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