最果ての月に吠える
彼の上にまたがり腰を振って感じ始めると、脳裏でフラッシュバックが起きる。





見知らぬ白人のオトコが私に覆い被さって腰を振りながら荒い呼吸をしている。





それが心臓をくれた少女の父親だと理解するのに時間はかからなかった。





こんな父親さえいなければ。





私が産まれてこなければ。





消えてしまいたい。





消えてしまえ。





オマエなんて消えてしまえばいいのに。





その父親がもらす低い呻き声が、イってしまいそうな先輩の声に重なる。





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