最果ての月に吠える
「―――ごめんね」





穏やかに上下を繰り返す胸に私は囁いた。





私のエゴに付き合わせてしまって。





でも、それももう終わり。





「明日、動物園に行こう」





ゆっくりと頷いた先輩はそのまま眠ってしまった。





きっと夢の中でトモエさんと動物園に行くのだろう。





それが彼の望みなのだから。





その望みが叶いますようにと願いながら私も眠りに落ちた。





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