最果ての月に吠える
チェシャ猫のように夜空で半分の月が白く笑っていた。





私達は管理事務所の裏側でその時を待っている。





「先輩。行ってくるね」





私一人でできるかはわからない。





「ああ、行ってらっしゃい」





それでも、私達は繰り返す。





運命にだって抗う。





ムダだとわかっていても、可能性がなかったとしても。





何もしないではいられないから。





だから、乾からびた犯罪をもう一度。
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