最果ての月に吠える
太陽が沈み窓に闇が張り付いた頃、何枚もの写真の束を抱えてリューネが現れた。





しかし二ヵ月置きの知能検査の真っ最中だったのでトモエは薄いピンクの唇に人差し指を当てリューネをベッドに座らせた。





終了の合図を聞くまでリューネが写真をベッドに並べていたけれどオレの意識は指示された図形を探し出すことに夢中になっていた。





「はい、終了。集中力は何があっても変わらないのね。すごいわ」





そう言いながら解答用紙を一瞥しトモエはリューネを連れて出ていった。





机とベッドが窓を挟んで存在しているだけの小さな部屋にオレは取り残された。





ベッドを埋め尽くしている写真にはあらゆる種類の動物が現実から時を止めて切り抜かれていた。





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