最果ての月に吠える
第4話 瞳孔の追憶
第4話 瞳孔の追憶
地平線で赤い表情を覗かせていた満月が白く輝き辺りを照らしていた。
住宅街の人目に付かない森林に潜み僕らはじっと決行の時を待っている。
ケータイを取り出し時間を確認するリューネは明らかに苛立っていた。
白いファーコートに花柄のニットとデニムのミニスカート、茶色のブーツを合わせた彼女のスタイルは寒さを拒むことを知らない。
「そんな格好で走れるのかよ」
「私はいつでも気を抜かないの。大体乗り気じゃなかったクセに偉そうに言わないでよ。―――で、カズネはまだこないの?」
僕の言葉で増した苛立ちが到着の遅いカズネに飛び火した。
地平線で赤い表情を覗かせていた満月が白く輝き辺りを照らしていた。
住宅街の人目に付かない森林に潜み僕らはじっと決行の時を待っている。
ケータイを取り出し時間を確認するリューネは明らかに苛立っていた。
白いファーコートに花柄のニットとデニムのミニスカート、茶色のブーツを合わせた彼女のスタイルは寒さを拒むことを知らない。
「そんな格好で走れるのかよ」
「私はいつでも気を抜かないの。大体乗り気じゃなかったクセに偉そうに言わないでよ。―――で、カズネはまだこないの?」
僕の言葉で増した苛立ちが到着の遅いカズネに飛び火した。