最果ての月に吠える
「ほんとにライオンみたいだね」





青白い光に照らされて夜更かしのシシオザルを見ていた。





「あの時、リューネはどうしてライオンを見ていたの?」





多くはないが設置されている監視カメラの死角を縫うように歩きながら昼間の動物園に遊びに来ているような明るさで訊ねてくる彼女に質問をし返すと、僕の数歩先に跳ね出て答えた。





「理由なんてない」





僕はこの計画のために練った綿密な動きを確認する間、リューネが何を思っていたのかずっと考えていた。





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