最果ての月に吠える
僕らの不完全な動物園襲撃計画が終わりに近付いていた。





「行こう。リューネ」





遠吠えが聞こえる。





シンリンオオカミの群れがサイレンに呼応しているのだ。





「行こう。ヒカル」





僕らはそう言って、手を握った。





体の奥底から止めどなく溢れる不安に駆られた心を逃がさないように。





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