最果ての月に吠える
計画のこと、火事の真相、動物園、飼育員を辞めること、二人の未来、それぞれにとってのリューネという存在。





表面的な付き合いだったのかもしれない。





たった六ヵ月の間だったけれどカズネの願いを叶えることが愛することだと思っていた。





新しくできた水族館、東京の夜景が見渡せるタワー、全国二位の大きな観覧車、僕が育った故郷。





行きたいと言う場所に連れていき、何度もセックスをした。





身体が繋がっても心はどこかを彷徨っていた。





それはカズネの所為なんかではなく僕の問題だった。





カズネは精一杯愛してくれていた。





それに応えることで僕は自分を誤魔化していた。





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